北原　弘子代表

ここは「宮町通り社乃風（みやまちどおりやしろのかぜ）」という複合商業施設になっています。店舗は10店舗ほどあり、お土産屋さんがほとんどを占めています。他には、飲食店や手焼きせんべいの店などがありますし、ちょっと変わっているのが、美容院もあります。当社の直営店は、「信州手焼せんべい本舗」「らぁめんカフェ風来っと」「こだわりの土産処風和里」の3店舗で、あとはテナントとなっています。直営店も含め、お客様が楽しめるようなお店があると思います。
来店されるお客様は、諏訪大社上社が徒歩1分くらいのところにあるので、観光のお客様がメインです。あとは地元のお客様です。

信州手焼せんべい本舗」では、備長炭を使って一枚一枚手焼きしている、手焼きせんべいの専門店です。種類は、いろいろなバリエーションを含めると多分100種類くらいはあると思います。特徴的なものは、食感がお餅のような柔らかい「ぬれしみせん」です。
「ぬれしみせん」は、焼いていないんじゃないかとおっしゃるお客様がいらっしゃいますが、しっかり焼いて、熱々のうちにたれにジュッとスポンジが水を吸うような感じで染み込ませているので、濡れてしみこませるという意味で「ぬれしみせん」という名前になっています。実際に召し上がって実感してみないとわからないおせんべいかもしれません。
「らぁめんカフェ風来っと」は、こだわりのラーメンを楽しめるお店で、看板メニューの「とまとつけ麺」は、ナポリタンのような味わいで、癖になると好評です。

ここは、昭和47年に父が上社ドライブインという、昔ながらのドライブインを建てて営業を開始し、今年で53年目になります。父が病に倒れたため、平成24年に急遽社長に就任したのですが、社員としては働いていたものの、社長業は初めてで、本当に何もわからない状態だったので、色々な方たちに助けてもらいながら、今に至っています。
社長就任の2年後の平成26年に、現在のテナントが集まる長屋スタイルの日本家屋として、建て替えをしました。昔のドライブインというのは、大きな建物の１フロアにテナントが何店舗か入っていて、そこの1店舗がお休みしていると、網を張ったり、商品に布をかぶせたりとかして、私としてはとても気になり不満でした。そこで、同級生が建築業を営んでいたので、相談をして私の想いを伝えたところ、いろいろアドバイスをいただいたりして、この形態へ変更する計画が進んでいきました。
こういう長屋形式だと、ある店舗がお休みした場合でも、他の店舗がやっているので、参拝に来たお客さまは、もしかしたら今回の観光が一生に一度かもしれない中で、安心して買い物や飲食を楽しんでいただけます。そういう意味でもほぼ理想どおりのイメージでできていると思います。

この広場は、最初は駐車場だったのですが、お宮さんの方で、諏訪大社の大きな駐車場があるので、ここをもっと有効利用すればいいのではないか、とおっしゃって下さいましたので、駐車はバス3台のみにして、乗用車はお宮さんの駐車場に止めさせていただくということができるようになりました。おかげでイベント等がたくさんできるようになりました。それまでは、たとえ月1回でもイベントをやりたいと思っても、駐車場のままでは中々それが出来なかったので、お宮さんからそう言っていただいたのは、とてもうれしいことでした。
地元の方に恩返しをする意味も込めて、毎年7月第3土曜日に、夏の夜祭を開催しています。コロナ禍には中断してしまったのですが、今年で8回になり、お子さんたちがとてもたくさん来てくれます。
お祭り以外にも、骨董クラフト市を4月から11月までの間に月1回行っており、できるだけ賑わいをもたらせたら、と思っています。
何より地元の子供達が、たとえ年に一度かも知れませんが、ものすごく楽しんでもらっているので、これからもずっと続けていきたいと思いますし、今楽しんでいるお子さんが大きくなって自分のお子さんを連れてこられるような、それくらい息の長いお祭りにしていきたいです。

まずは、従業員が働きやすい場所として、長くずっと働けて良かったなと思える、楽しんで気持ちよく働ける会社を目指していきたいです。
当店は3店舗あるのですが、そこのどこか１店舗が最初に閉めても、必ず別のお店に手伝いに行きます。終業はみんな一緒です。そういう思いやりを持ってやっていただけています。
子供がいたり、お年寄りを抱えていたり、そういう従業員さんが、お互いに助け合いながら、思いやりを持って、長く勤めてくれる働きやすい職場を目指しています。
そして、お宮さんがあるおかげで、当社はコロナ禍も乗り越えられました。もちろんお店を継続して行くのもそうですが、テナントさんと一体となって、イベントなどを通じてもっとこの地を盛り上げていきたいですし、それを長く続けていきたい、それが夢というか、願いです。