地域で愛される油揚げ


当店で扱う商品は、一般的な豆腐屋と同じく、豆腐、油揚げ、厚揚げや豆乳などです。豆腐に使っている大豆は小海町の特産品である鞍掛豆や上田市産のナカセンナリです。鞍掛豆は固まりにくい性質ですが、先代が工夫して製法を確立したおかげで、現在も作れています。豆腐作りにおいては、衛生と安全に気をつけるのはもちろんとして、風味にこだわっています。香りが立つような豆腐を意識しています。作業は豆の状態に合わせて行っています。毎日違いますが、水分量や煮る時間などを変えて理想とする豆腐に日々合わせています。
商品で一番人気があるのは油揚げです。この地域ではお稲荷さんを食べるご家庭が多く、当店の油揚げはそれに適した大きさでもあり、好評をいただいています。過去には1日で1,200枚を揚げたこともあり、県外から買いにきてくださるお客様もいます。
販売は、店頭以外では地元のスーパーや道の駅等で販売しており学校給食にも卸しています。店頭での販売は毎週水曜日が定休日ですが、製造自体は元日以外の364日行っています。
歴史ある豆腐屋を継承


元々は群馬県の出身です。若いころから「職と土地とパートナー」を人生のテーマとしており、自分が一番いいと思えるものを探していました。以前に東京の蕎麦屋で働いたことがあり、そこで扱っていた蕎麦や日本酒は産地や蔵元で味が全く違うことに興味を持ちました。これがきっかけで、日本の伝統文化で地域によって味が違うものを扱う仕事をしたいと思うようになりました。そういったなか、台湾に旅行をした際に豆乳を飲む機会があり、その時に豆乳に魅了されました。僕も豆乳を広めたいと思い、それなら豆腐屋だと考えました。また、出身の群馬に近く、自然が豊かなところで仕事をしたいとも思っていました。
このように考えていたところ、小海町の地域おこし協力隊で募集していた豆腐屋の継承の仕事にたどり着き、自分の中の色々な思いが一致して、応募をしました。
小山豆腐店は自分が引き継いだ時点で業歴が80年であり、歴史あるお店を引き継ぐのは相当なプレッシャーがありました。ただ、だからといって苦しかったわけではありません。町の方が毎日のように声をかけてくださり、応援してくださいました。ですので、プレッシャーもあったけど頑張る、そういう気持ちが強かったです。おかげさまで売上も伸びてきており、支えてくださる方が増えてきているということを自信に変えて営業しています。
先代からの教え「健康のインフラであれ」



豆腐作りの師匠である先代からは色々教わりましたが、自分の店のポリシーにしているのは「健康のインフラであれ」という言葉です。地域の健康を司るインフラとして健康を提供できるような店になりたいと思っています。
豆腐は安価で買いやすく、多くの人にとって身近であり、どんな料理にも使えます。そういった食材は少ないと思いますし、万人に提供できると思っています。たんぱく質が日本人はとくに不足しており、それを肉でいっぱいとるのも大変ですが、豆腐なら手軽にとれます。健康のインフラとして良質なたんぱく質をおいしく、多くの人に提供していきたいです。
200年後も続く豆腐屋に

これからの夢は、200年後も続く豆腐屋にしたいです。そういう時間軸をもって事業をやるのは、今の時代に逆にいいのかなと思っています。次の代に継いでもらえるように自分ががんばらないと、と思っています。僕が受け取った「健康のインフラであれ」という思いを伝えていきたいです。
また、豆腐作りを通じて、小海町の魅力を広げていければとも思っています。事業を引き継いだあとに、屋号に「小海の」をつけたのもそういった思いもあってです。僕がこうやって商品をお客様に提供できるのも、小海のこの環境があってこそだと感じています。
店舗名 | 小海の小山豆腐店 |
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所在地 | 南佐久郡小海町豊里3119-1 |
事業内容 | 食料品製造業 |
外観 | ![]() |
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