料理と酒で癒しのひとときを


あお葉のコンセプトは「今日頑張った自分へのご褒美」。日本酒を中心に、長野県内と県外のお酒を半分半分、全部で12種類程の銘柄を取り揃えています。初めての方にも楽しんでもらえるよう、フルーティーな味わいのものも用意し、日本酒の世界の奥深さを感じてもらえるよう工夫しています。
料理は、季節の食材を使った「おばんざい盛り」を看板メニューにしています。一人用の三品盛りから、複数人でシェアできる盛り合わせまで、訪れる人のスタイルに合わせた楽しみ方ができるようにしています。季節に合わせて、暑かったら少し冷たいものや酸味のあるものであったり、逆に秋冬だったら煮物系をいれてみたり、元々料理が好きなので遊び心を詰めて「美味しく健康に」をテーマにメニューを決めています。
思いを込めた店づくり──古民家の記憶と温もりを受け継いで



この商店街の、アーケードの通りとはまた違う、ゆったりとした雰囲気が凄く好きで、この場所でできたらいいなと直感的に思いました。お店はかつてスナックとして使われていた建物です。古き良きものを活かしながら、新たな命を吹き込むような思いで店づくりを行いました。
柱や梁はできるだけ元のものを残し、大工さんの手で補強を加えながら、強度と見栄えの両立を目指しました。古民家ならではの木の温もりを感じられる空間に仕上がったと思います。店内のテーブルは、日本酒の樽の蓋に使われる木材を再利用した特製の一枚板を使いました。その材料を持っていた飲食店の方にお願いして譲っていただきました。
お客様に来てもらった時に、懐かしさと今という時間が溶け合う心地よさみたいな空間づくりを心掛けました。私自身、「まだ10か月しか営業していないのに、ずっとここにいるような気がする」と感じています。
独立のきっかけ──“自分らしく”の原点を探して


長野駅前の居酒屋で約4年間働きました。日本酒と出会って興味を持ったのもその時でした。コロナ禍中でしたが、常連さんがとても良く来てくれて、カウンター越しに会話をしながら食事を楽しんでもらうスタイルが好きでした。しかし、コロナ禍が明けて、そのお店の元々のスタイルである宴会などのコース料理中心に戻っていくなかで、「もっと一人ひとりのお客様に丁寧に向き合える場所を持ちたい」と感じるようになりました。カウンター越しの会話やその日の出来事を少し話せるような、肩ひじ張らない関係を築ける空間──それが今のあお葉のコンセプトにもなっています。
人のつながりで地域を盛り上げる


かつては人通りの少なかったこの商店街ですが、同タイミングで同じ年代の方もお店を開いたことが良かったのか、若い世代の人にも「長野市にもこんな場所があるんだね」と興味を持って歩いてくれるようになりました。また、今50~60代の方が、「若い時に上司に連れられて朝までここら辺を飲み歩いたんだよ」というような懐かしいエピソードをカウンターで聞くのも、飲み屋街としての歴史が感じられてとても楽しいです。
今は長野駅前周辺の飲食店の方々や酒屋さん全員が集まった飲み歩きの日本酒イベントの団体に、スタッフとして参加させていただいています。蔵元さん達とも、お話をする機会が少しずつ増えてきたので、実際に作っている方々の姿や思いを、お客さんに伝えられるようになったらいいなと思っています。
これからの夢──この場所で、時を重ねていく

この場所でこのお店を10年、20年、30年、何十年も続けるのが私の夢です。30年40年ずっとやってきている老舗のお店はたくさんあります。老舗の方々の夜遅くまでの仕込み作業など、地道に努力し続けている姿はここで自分がお店を始めないと知らなかったことです。そういう方々の背中を見て「私も頑張ろう」と思えます。自分の力では微力ですが、この地域を盛り上げるためにできることは何だろうと考えています。SNSなどで若い人たちにこの通りを知ってもらえたらうれしいです。
店舗名 | こよいのお酒 あお葉 |
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所在地 | 長野県長野市鶴賀西鶴賀町1551-1 C7 |
事業内容 | 居酒屋 |
外観 | ![]() |
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