多彩な人が集う、駅近くのおしゃれなシェアスペース


このお店は単なるレーシングシミュレーターショップではなく、訪れる人々にとって「ワクワクできる空間」を目指して設立されたユニークなコミュニティスペースです。「何かを始めよう」「地元にワクワクできる場所を創ろう」との考えから、仲間たちと協力して立ち上げました。施設はレーシングシミュレーターだけでなく、隣では書道教室やネイルサロンなど、さまざまな活動ができる柔軟な空間設計がされています。駅から近いこの場所は、中高生の学生さんたちが利用しやすいように考えて選びました。偶然にもインテリアコーディネーターの資格を持つ友人がデザインを手がけたことで、スタイリッシュでおしゃれな内装になりました。塗り壁や家具の設置なども自分たちで手を加えています。
本格派レーシングシミュレーターが生み出す驚きと体験
実際のプロドライバーも使用する本格的なレーシングシミュレーターで、天候や時間帯、路面状況など細部まで調整できる仕様です。ステアリングホイールには強力なモーターが内蔵されていて、直進時の手応えや、カーブでの応力、コースアウト時の激しい振動までを再現することができ、リアリティあふれるドライビングを体感できるのが大きな魅力です。
体全体に伝わるマシンの鼓動と一体感は、単に画面を見る“ゲーム”とは一線を画します。実際、初めて体験する利用者の多くは「思った以上に体力を使って汗だくになる」「本当に運転している感覚で夢中になった」と驚きの声を上げます。1時間集中して取り組むと、シートからなかなか立ち上がれないほどの疲労感と充実感があり、平均でも3〜4時間の長時間滞在となる人も少なくありません。
操作から構造へ――“考える力”を引き出す学びの場


レーシングシミュレーターが持つ可能性は、娯楽にとどまりません。地元の飯田OIDE長姫高校の生徒たちが、自作のエコカーで大会に挑戦する際にコース習熟用としてこの施設を利用し、見事優勝につなげた実績もあります。私は、ただ運転操作を教えるのではなく、「なぜその動きになるのか」「機械のどこがどのように関わっているのか」など、整備士の視点を活かした指導を大切にしています。事故を防ぐにはどうしたらよいか、タイヤやハンドルの構造や役割といった“根っこ”の部分から子供たちに伝えることで、操作技術とともに、理屈や安全意識、そして自分で考える力も育んでいます。私自身も教えながら逆に子供たちから学ばせてもらうことが多く、日々勉強だなぁと感じます。年齢や立場を超えた成長と発見が日々生まれているのが、この施設の大きな特徴のひとつです。
“挑戦できる遊び場”を地域の中に――広がる夢


この場所を立ち上げたきっかけには、「飯田には何もない」という子供たちの言葉がありました。私はその言葉を聞いて「無いなら自分たちで作ればいい」と考え、まずは自分の好きなことで地域に新しい風を起こそうと動き出しました。映画『グランツーリスモ』に刺激を受けたことも追い風になり、本格的なプロ仕様のシミュレーターを導入することを考えました。この場所を通じて、子供から大人まで誰でも自由にクルマや乗り物の楽しさや奥深さを体験できたら嬉しいと思います。また、バーチャルだけでなく、実際にモータースポーツをやってみたい、自動車に興味が生まれたなど、リアルへの影響にもつながるそんなきっかけになれば嬉しいです。
飯田には「さるくらモータースポーツランド」というサーキットがあります。このサーキットや自分のお店を中心に、南信でモータースポーツが盛り上がり、地域が活性化したら最高です。好きな故郷だから、自分にできることで盛り上げるにはどうすればいいか、「遊び」「学び」「挑戦」が自然に生まれる場づくりと、地域文化の新たな芽生えを目指しています。若い世代が枠にとらわれず自由に挑戦し、自分の可能性を見つけるきっかけになれば嬉しいです。


| 店名 | 南信州モータースポーツPLUS+ |
|---|---|
| 所在地 | 飯田市高羽町1-8-1 |
| 事業内容 | 体験型エンターテインメントサービス ※新井さんは他にも自動車整備を営んでいます。 |
| 外観 | ![]() |
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