高齢者のトータルサポート事業
宅配の中心である個人のお客様は高齢者の割合が高いので、次回行く時に牛乳がそのままになっていたら声をかけるなど気をつけていたのですが、こちらで勝手にやっていてお客様が知らなければやっていないのと一緒だと考え、事業として開始しました。
具体的には、高齢者の方にご登録いただいた緊急連絡先に連絡する「安否確認サービス」、健康状態に合った商品を提案する「健康促進サービス」、高齢者用のステッカーを配布して周辺が配慮しやすい環境を作る「高齢者用ステッカー設置サービス」の3つです。
高齢者向けのサービスはミルクマーケットだけでなく、周りの若い人や地域全体で気にしてくれるようになれば。ゆくゆくは、行政や同業者、宅配業者など皆で連携して一緒になってできれば良いなと考えています。
事業引継ぎは意外なきっかけから
今の仕事に就く前は公務員だったのですが、辞めて自転車で日本を一周しました。色んな経験をしましたが、今の仕事にも役立っていると思います。最初から上手くやろうとしてもできない、でもあきらめなければできる、ということを学びました。
あと、とにかく始めてみる、ということでしょうか。それで失敗することもありますが、始めてから勉強していってもリスクはあまり変わらないと思うので。今も、速さ・スピードは大事にしています。
また、ちょうどその時テレビに出たんです。それを、両親が牛乳の卸売業をやっていた関係で顔見知りだったメーカーの方が偶然観てくださっていて、そのメーカーが本格参入する宅配事業へのお誘いをいただきました。
最初は軽い気持ちで、やってみようかなと。それで始めてみたら自分に合っていた。自分がやりたいと思ったことがすぐできるのが魅力でした。良い出会いだったと思います。
繋がりの大切さ
宅配を始めて5年ぐらいまでは順調だったのですが、6年目ぐらいで大手メーカーの品質問題があって。売上が半分ぐらいになってしまったんですよね。クレームの電話が入って、宅配を止めていく方が大勢いる中で、「頑張ってね」という電話もかかってきました。
その翌月から、コラムを書き出したんです。どこに行ってきたとか、全然商売とは関係ない話なのですが。手書きのチラシを月に一回牛乳と一緒に配りました。それがもう10年以上続いています。お客様の中には感想を言ってくれる方もいて。そういったものでもコミュニケーションがとれることに気づかされました。
お客様の“声”をきくコミュニケーションづくり
以前は朝配達していたのですが、お客様と話したいということで昼間に変えて、挨拶プラス一言お話をしようということで決めています。
安否確認サービスも、一人で何かあったら心配だという声に対して、もし牛乳が入っていたら連絡するね、というようなやりとりから生まれました。
マーケティングではないですが、一人一人に聞かないと分からないことってある。こちらがいくら良い商品・サービスがあると言っても、お客様の欲しいものと違っているとギャップが出てしまうので。
配達スタッフとも、配達のない日も定期的に顔を出してお客様とお話しする時間をとろうと話しています。
地域にとって存在感ある会社でありたい
現状の夢としては、高齢者事業を成功させたい。地域が一緒になって、何かあったらここに連絡するとか、そういった繋がりができる状態が目標です。
最近地域の活動など色々な所に顔を出すようになって、皆で何かできるんじゃないか、という考えに変わってきました。地域に密着して、ここに任せておけば安心だよという存在にはなりたいですね。
宅配に関していえば、牛乳の消費量は減っていますが、その分、健康に特化した商品など、スーパーには絶対売り出さない商品も数多く扱っているのが、宅配の差別化されているところ。食育などの分野にも繋げられるよう、もっと良さを知ってもらって、乳製品の宅配の世界を底上げしたいと思っています。
社名 | ミルクマーケット(株式会社春夏冬) |
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所在地 | 〒389-0804 長野県千曲市戸倉1431-2 TEL : 026-275-1130 http://www.milkmarket.biz |
代表者 | 小林 直彦 |
創業 | 明治37年 (法人設立平成27年8月) |
事業内容 | 牛乳・乳製品宅配業 |
店舗 |