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麺道 夢幻

田村 祐助代表

鶏そばが看板メニューの「麺道 夢幻」は、2019年10月の台風で長野市赤沼にあった店舗が被災し、2019年12月に中野市に移転しました。若き代表 田村さんが心を込めて作るラーメンは、たくさんの人を魅了しています。田村さんにお聞かせいただいた事業への想いや夢をご紹介します。

お客さんのために気持ちを込めて

お客さんのために気持ちを込めて

 全くの独学でラーメン屋を始めて、今年の3月でちょうど3年です。最初はとても苦労しましたけど、固定観念がないので一から全部自分の好きなように作れる、というところに楽しさを感じます。“おいしいものを作りたい”という想いから、いろいろなお店に足を運び、食べて勉強し、本を読んで勉強し、お客さんの反応を見て勉強しています。お客さんに「おいしい」と言っていただけるよう気持ちを込めて日々ラーメンを作っています。

 当店では、どの年齢層の方でも食べやすく、おいしいと感じられるようなトレンドもとり入れたラーメンを作っています。私は仕事をするうえで“迅速かつ丁寧”を大切にしているので、盛りつけを丁寧に美しく、でもすばやく、一番おいしい状態でお客さんに食べていただけるよう心がけています。
 もちろん素材にもこだわり、手間と時間をかけています。スープを取るときには、選び抜いた数種類の地鶏を組み合わせ、味に深みが出るように作っています。麺には国産小麦を使い全粒粉を入れ小麦の旨みを出し、加水率を調整してのどごしがよい麺に仕上げています。信州産の豚を低温調理でやわらかく仕上げたチャーシューはお客さんの評判がいいです。

台風被害を受けても前へ

台風被害を受けても前へ

 以前の長野市赤沼の店舗は、昨年10月の台風19号で千曲川の堤防決壊により浸水し、使えなくなってしまいました。その被害の大きさに頭が真っ白になりましたし、最初は自分が被災したという実感すらわきませんでした。浸水したお店を見た時はひどく落ち込みましたが、従業員もいますし、なにより待ってくださっているお客さんがいるので1日でも早く店を再開しなくては、と思いました。被災してしまったからと悲しがっている余裕はありませんでした。
 台風被害から最初の2・3日は水が引かず店舗にたどり着けなかったので、その間に、ラーメンを食べ歩いて勉強したり、いろいろな食材の勉強をしたりしました。水が引いた後は赤沼の店舗の片付けに追われましたが、片付けた後は店を再開するために必死で走り回りました。そして台風被害から2か月弱で今の場所に店を移転オープンすることができました。ラーメンを作れなかった2か月は長く感じましたが、ゆっくり勉強する時間ができてよかったと思っています。落ち込んでいても何も生まれないので、さらにおいしいラーメンを作るための貴重な時間だと、プラスに考えて前に進みました。

愛されるお店に そしてさらに上を目指して

愛されるお店に そしてさらに上を目指して
愛されるお店に そしてさらに上を目指して

 台風の後、新しいお店を出すにあたって、仲間が協力してくれたり、SNSを通してお客さんが「片づけを手伝いに行くよ」などと声をかけてくれました。また、「大丈夫ですか」と心配の声もたくさんいただきました。営業を再開してからも、心配してくださったお客さんがたくさん来てくださるので、そういう方々のためにもこの店を開いてよかったなと思っています。
 お客さんの立場になって、自分が行きたいと思えるような店、お客さんに喜ばれる店、愛される店作りを心がけて 今、頑張っています。

 また、私には日本一になりたいという夢があります。一昨年、初めて出場した「ラーメン日本一決定戦」というイベントで4位をとったことがきっかけで、火がつきました。 さらに自分の腕を磨きレベルアップさせて、いつか日本一をとれるよう頑張っていきます。

店舗名 麺道 夢幻
所在地 〒383-0015 長野県中野市吉田84-1
事業内容 ラーメン店
店舗外観 店舗外観