荒井 琢郎代表

　2019年11月にこの練習場をオープンする前はスポーツカフェをやっていました。テレビでスポーツ観戦しながら、飲んだり食べたりできるお店です。スポーツカフェを開業したのは、自分がスポーツしていたことや昔から料理が好きだということもありますが、一番はオーストラリアに留学していた時にスポーツバーで、ラクビーやサッカー、野球などの垣根を越えて、来た人がみんな新しい仲間と仲良くなる光景を見たからです。岡谷市にはそういう場所はなかったので、新しい試みだと思って始めました。
　岡谷市はゴルフ人口が多く、岡谷市ゴルフ協会主催のコンペで300人以上の人が集まります。それだけの人が集まる地域ですので、何か地元に貢献できないかと考えたときに、季節や天候に関係なく練習できるシミュレーションゴルフ場をやってみようと思いました。
　この練習場を始めるにあたっては、地元の方たちにいろいろなアドバイスや協力をいただきました。ドリンクやお酒、食事もあって、ゆっくり楽しめる場所がほしいという要望が多かったですし、スポーツカフェをやっていた経験から、料理やお酒も出すというスタイルになりました。スポーツカフェのお客様から、逆にゴルフをやってみようかなという方も多いです。
　この店のコンセプトは、アットホームな雰囲気です。プロゴルファーがいると入りずらいという方もいると思いますが、あまり気張らずに「ちょっと寄ってみる」くらいのイメージで来てもらえれば、と思います。この店に来ていただく方たちは、ほんとにフレンドリーで、年齢を問わずにみんな仲良くなって、集まれるような雰囲気ができていて、自分がイメージしていた通りの店になっています。

　長野県は、冬は寒く、ゴルフ場はクローズになってしまいますが、シュミレーションゴルフは、天候に左右されません。また、通常＋αの練習ができると思います。映像で自分のスイングがすぐ見られるので、自分の直すべき部分を早く見つけられます。距離を飛ばしたい方は、どういうスイングで、どういうタイミングで振ればいい数値が出るのか、ということもわかりますので、内容の濃い練習ができる施設になっています。
　実際に会員の方、ビジターで練習に来ていただいている方は、スコアが良くなっています。ラウンドに行った帰りに、今日調子悪かったなというところを直しに来る方も多いです。
　県ジュニアで優勝する子が出たり、つい最近までアマチュアだった子が、プロテストに合格したりと、当店で練習した結果が出てきています。
　レッスンは、プルゴルファー2名、インストラクター1名の3人で、レッスンチームとしてやっています。プロで活躍している選手が実際に練習している場所ということに付加価値があると思いますし、試合に出ているプロから教えてもらえるというレッスン内容にも満足していただいていると思います。
　プロゴルフファーのレッスンを受けている方で、一番小さい子は4歳です。ジュニアの子も頑張っていますし、コロナがきっかけでゴルフを始める方も多いです。初心者でもレッスン受けていただいて、一歩ずつ課題をクリアしていくという楽しみを感じていただいています。上手になるのもいいのですが、楽しくゴルフに触れあっていただきたい、と思っています。
　2019年11月にオープンして、軌道に乗り始めるかな、と思った翌年2月に新型コロナウィルスの感染者が出て、春先には休業要請があり、オープンしたばかりだったので、正直苦しかったです。やっと少し落ち着いてきて、利用していただいているお客さまが、新しいお客さまを連れてきていただいたり、といった協力もあって、何とか踏ん張ることができました。試行錯誤しつつ、お客さまと一緒に徐々に作ってきました。

　これからの夢は、まずこのお店の土台固めることが一番ですが、長野県は寒いし、年間を通じてゴルフはできないので、こういった施設が徐々に増えて、何年後かには普通になるというようになればいいと思っています。オープンして2年くらいですが、ゴルフだけではなく、集まりやすい、いろいろな人と人とがつながる施設にしたいと思います。
　また、ゴルフが盛んな岡谷市から、さらにゴルフ文化が広がっていけばいいと思います。実際プロゴルファーが二人いるというのは、ジュニアの子どもたちや、新しく始める人たちにいい影響を与えられると思います。子供たちにゴルフに接してもらって、楽しいなと思ってもらい、いずれ活躍するような選手が出てきてくれると、また次につながっていきます。そんな未来に期待し、力を入れて指導し、応援し、楽しくやっていきたいと思います。