97

(株)epice

秋葉 貴義代表

長野市の株式会社epice(エピス)は、アウトドアブランド「Re:NASOV(レナソブ)」を立ち上げ、日本製にこだわった珍しい漆黒のシェラカップなどを販売しています。また、善光寺大勧進とのコラボ商品も販売しています。代表の秋葉 貴義さんにお聞かせいただいた事業への想いや夢をご紹介します。

好きなキャンプで自分が使いたくなるような商品開発を

好きなキャンプで自分が使いたくなるような商品開発を
好きなキャンプで自分が使いたくなるような商品開発を

 創業して7年目になります。もともとインテリアが好きで、会社勤めのかたわら個人で輸入雑貨のインターネット通販をしていましたが、もっと本格的に自分の思うようにやってみたい、という気持ちが強くなり、会社を辞めて創業しました。
 その後、新型コロナウィルス感染症拡大によって、最初に中国がロックダウンしたことから商品が入ってこなくなり、それなら国内で何かできないかと考え、このアウトドアブランド「レナソブ」を立ちあげました。「レナソブ」は、ソロキャンプとか少人数で行うキャンプに合うスタイル、ということをターゲットにしています。個人的にもそういうキャンプが好きなので、自分が使いたいようなものを作りたい、と始めました。
 商品企画は自分で考えて、ある程度形になったものを少しカスタマイズして、職人さんに作っていただいています。まずはシェラカップから始めたので、それをベースに、一緒に使えるアイテムなどを増やしています。
※右の写真が漆黒のシェラカップ3種(中央は大勧進とのコラボ商品)

日本製にこだわった商品作り

日本製にこだわった商品作り
日本製にこだわった商品作り
日本製にこだわった商品作り

 シェラカップは、登山やキャンプによく使われるアイテムです。鍋や計量カップとして調理に使ったり、食器として利用するなど、マルチな使い方ができます。うちのシェラカップの特徴はこの黒い色です。通常シェラカップはシルバーのものですが、塗装ではなく、酸化発色加工と呼ばれる手法を使って、表面の被膜の厚みを0.1ミクロン単位で調整することで黒く見せるという技術を使っています。通常のカップは、火をかけると、塗装が剥げてしまいます。それを食べてしまうことがないとは言えないので、安全性も考慮して、この手法を取りました。被膜の厚みを変えることで、通常のステンレスより耐久性をアップさせています。
 他にも、ミニトング、徳利とぐい呑み、蒸し料理用のせいろなどがあります。こういうものを作りたいと思いついたら、すぐに作っていただける方を調べて、直接お願いしに行きます。
 大勧進のシェラカップは、登山やアウトドアでの安全を護摩祈願していただいて、それを「使えるお守り」に、ということを提案して、採用していただきました。このご開帳期間だけの限定商品となります。ご開帳が終わったあと、護摩祈願していただいて、それを配送するという形をとっています。大勧進のロゴを入れていただいて、横に不動明王を意味する梵字(カーン)も入れていただきました。
 全部日本製であることにこだわっており、シェラカップは、金物の町として有名な燕三条のメーカーさんにお願いして作ってもらっています。その他、キャンプ用の蒸し器は、木曽の職人さんに作っていただいたりしています。
 日本製のよさは品質です。もともと輸入商品をインターネット販売していたのですが、どうしても品質にばらつきが出てしまう、ということが一番のネックでした。そんな時に新型コロナウィルス感染症の拡大で、商品が入ってこなくなったタイミングで、思い切って、もともと趣味だったキャンプの用品を、日本製で作ることにしました。

中小企業の職人さんたちと面白いものを作りたい

中小企業の職人さんたちと面白いものを作りたい

 これからの夢は、中小企業の職人さんが作られている現場をもう少し盛り上げていきたいということです。
 日本の技術をもっとアピールしていきたいですね。どうしてもインターネットだと、大量生産された商品と職人さんが手作りされたものが横並びで、そこで単純に価格比較されてしまいます。見た目だけ似せれば、違いが分かりにくいので、優れた技術を持った職人さんが、想いを込めて丹念に作っていったこだわりの商品というものを届けたいし、日本の職人さんたちと一緒に、面白いものを作っていきたいです。
 今コロナ禍で盛り上がっているキャンプなどを通じて、職人さんの技術が詰まった商品が目に留まることで、伝統産業に脚光が浴びるようにしていきたいと思っています。

店舗名 株式会社epice
所在地 〒381-0043 長野県長野市吉田5丁目8-22
HP https://epice-sun.com
事業内容 アウトドアグッズ販売
店舗外観 店舗外観
放送動画