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株式会社エイトピークス

齋藤 由馬代表取締役

茅野市にて8Peaks BREWING(エイトピークス・ブルーイング)のブランド名でクラフトビールの製造、販売をおこなう株式会社エイトピークス。
「ビールはただ飲むだけでなく、人と人とをつなげる力がある」と、その魅力を語る若き代表 齋藤由馬氏にお聞かせいただいた事業への想いや夢をご紹介します。

ホップとの出会い

ホップとの出会い

実家は上田市で“りんどう”の切花農家をしていましたが、私は専門学校を卒業後、東京の漢方薬の製薬会社に就職しました。そのときに、漢方薬の原材料のほとんどに植物が使われていることを知りました。そして、“りんどう”という花が、胃腸薬の原料に使われていたことを知り、実家にいた頃にはあまり魅力を感じていなかった「花」が、実は人の役に立つ「薬」に使われるなど、価値があることがわかり非常におもしろいと感じました。
その後、東日本大震災をきっかけに、ふるさと長野県で植物の加工技術を生かして何かできないか、人の役に立つものは作れないか、と思い地元に戻ってきました。そして、長野県の植物や栽培の歴史を調べる中で、たまたまビールの原材料である“ホップ”という植物に出会い、興味を持ちました。 初めはホップ農家になろうと考えたのですが、「ホップはビールに加工することで初めて価値が生まれる」ということに気がついて、ビール作りを目指すことにしました。
ビールを勉強するために滞在したドイツのビアレストランで、「このお店で一番おいしいビールはなんですか?」と尋ねたときに、隣にいたお客さんに「そんなくだらない質問はやめろよ。このお店で一番のビールは、この街のビールに決まっているじゃないか」と言われました。そのときに、おいしいビールがあるだけではなくて、ビールがおいしいと感じるシチュエーションがあることが必要なんだ、と感じました。
その土地で作ったビールをその土地で味わう。そしてその土地の歴史や文化なども含め「ビールのおいしい環境」が大事だと感じたその思いが、今のビール作りの原点となっています。

八ヶ岳の裾野で

八ヶ岳の裾野で
八ヶ岳の裾野で

ビールを作るために、ご縁のあった上田市の日本酒の酒蔵で3年間、蔵人として醸造を学びました。また、島根県のビール製造会社でも研修を積んだ後、開業するために適した土地を探していたとき、たまたま八ヶ岳の裾野・諏訪地域へ来る機会がありました。この地域は、土地が拓けていて日照が確保できるうえ、高地でかつ傾斜地で水はけが良く、ホップの栽培に向いている土地だということを知りました。そして、調べてみると、日本で最初にホップの栽培が始まったのがここ八ヶ岳の裾野一帯の地域であることがわかり、そういった歴史のあるところでビール作りを行いたいと強く思い、移住しました。そして2018年に開業し、地域の食文化・自然に合うビール、ワインのように食材によって使い分けられるビールというところにこだわり、この地でビールを作っています。

この地域でビールを楽しんでもらいたい

この地域でビールを楽しんでもらいたい
この地域でビールを楽しんでもらいたい

 地域の食文化・自然に合うようにこだわって作る当社のビールは、この地域や環境で飲むことで一番おいしいと感じてもらえます。「このビールを飲むために八ヶ岳に来た」と言われるブランドとなるために、これからはビールの製造だけでなく、ビールがよりおいしくなるような環境の整備も地域で進めていきたいと思っています。
 お客さまには、当社のビールを飲みながら、より良い時間を過ごしていただきたいですね。
 そして将来的には、八ヶ岳山麓産ホップを使ったビールを通じて、ここをホップの産地にして、さらに地域の魅力を広げていきたいと考えています。

店舗名 株式会社エイトピークス
所在地 〒391-0301 長野県茅野市北山6807-1
HP https://eightpeaks.co.jp/
事業内容 酒類製造・販売
店舗概観 店舗概観