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天龍屋 町田商店 代表 町田 晋一

abn(長野朝日放送)制作番組 「信州 夢追人 新時代の経営者たち」出演者

町田 晋一さん
第104回 2022年12月02日

天龍屋 町田商店
町田 晋一代表

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天龍屋 町田商店は、先代の引退に伴い、2018年に一度閉店しましたが、東京から帰ってきたご子息がリニューアルし、再開した靴の修理店です。現代表の町田 晋一さんにお聞かせいただいた事業への想いや夢をご紹介します。

一つのもの、愛着のあるものを大切に使ってもらいたい

一つのもの、愛着のあるものを大切に使ってもらいたい
一つのもの、愛着のあるものを大切に使ってもらいたい
一つのもの、愛着のあるものを大切に使ってもらいたい

 天龍屋は明治25年の創業、130年程の歴史があります。もともとは荒物雑貨や日用雑貨の行商から始まり、私の祖父の代に、下駄の鼻緒たて・草履の仕立てなど履物の事業をスタートしました。先代である父の代では、靴商品の販売事業をメインに、その傍らで修理サービスを提供していました。私の代となってからは、靴や履物の修理サービスをメインに展開しています。
 日頃から心掛けていることは、お客様の愛用されている大切な靴をお預かりして、そこに修理を施すので、修理を施す部分以外を傷つけてしまわないよう、「絶対に失敗は出来ない」と常に緊張感をもって作業していること、そしてお客さまとの会話を通じて、施術内容をわかりやすくご説明し、仕上がりイメージを共有するということです。
 中野市周辺は、季節的に、特に冬は厳しい環境にあって、地域の方々が履かれている靴も、かなり厳しいコンディションにみまわれますので、そういった地域特有のケアやサービスの提供に注力しています。例えば、泥や塩シミ等に対するクリーニングや、氷の上で滑りにくく雪の上でもしっかり踏み込める素材を使った靴底の滑り止め加工など、バリエーションを豊富に取り揃えています。
 昨今は物があふれ、インターネットの普及もあり、誰でもどこでも手軽に物を買えるという時代になりました。その流れは今後も続くと思いますし、否定するわけではありませんが、そういった流れの中でも、靴修理をいうサービスを通じて、自分の大切にしているもの、愛着のあるものを少しでも長く使い続けたいという気持ち・想いを大切にしていただきたい、と強く思います。

父の想いを継いで、新しいビジネスにチャレンジを

父の想いを継いで、新しいビジネスにチャレンジを
父の想いを継いで、新しいビジネスにチャレンジを
父の想いを継いで、新しいビジネスにチャレンジを

 小さい頃から靴に囲まれながら育ったのですが、履物の業界とは畑違いのIT系の業界に就職し、16年間ずっと東京で生活していました。
 正直、父が4年前に亡くなるまでは店を継ぐという意思は全くなく、父が亡くなったことで、平日は東京で生活、土日に長野に帰ってきて店の片付けや清算をする、という2拠点生活が始まりました。今まで店のことには全然関心も興味もなく、お正月やお盆に帰省しても、家業をどうするかとか、そういう会話は父とは一切したことがなかったのですが、店に残っている商品などを実際に自分の手で確かめたりしていくことで、ようやく父が何をしていたのか、どういった経営をしてきたのか、どのような店舗を培ってきたのかといったことが分かるようになり、家業自体に興味が湧き始めました。
 そういった2拠点生活を進めていく中でコロナ禍が始まり、東京と長野の行き来が出来なくなり、東京で自粛生活をしながら自分の気持ちをもう一回冷静に見つめ直した時、このまま東京で会社員生活をして定年を迎え、そのあと地元に帰って何かを始めようとしたのではちょっと遅い、きっと後悔するだろうな、と思うようになりました。その後も、会社へ勤め続けましたが、実家のことがよく頭をよぎるようになりました。
 この町で実現してみたいこと、それにチャレンジしたいという想いが募り、自分が東京での仕事に集中できなくなっていることに気づいた瞬間、「もう帰ろう!」と決断しました。
 昨年の2021年4月にUターンした直後から、自分がこの地域で実際に何をしたいのか、何をやっていくべきなのかということを、店の中の空間に自身を置くことでもう一度見つめ直すことにしました。その中で靴修理というビジネスに着目し、果たしてこの地域で事業として成り立つのかどうか、一から環境分析・検証を行いました。その結果、ものを大切にする社会の潮流がある中で、デジタル技術等を活用したプロモーションやニーズ喚起を工夫していけば、この小さな町でも靴修理ビジネスが成り立つのではないかと自分の中で確信しました。それに加えて、父が亡くなって店の片づけを始めた時に、通りすがりの近所の方々、以前この店に靴修理を出していた方から、閉店を惜しむ声を直接いただいていたいたことを思い出し、それが今の形で再出発をしようと決意する大きな後押しとなりました。
 修理技術を身に着けるため、修行を重ねていき、本年6月にオープンしました。すると「また靴修理を始めたんだね。修理出したいけど、出せるお店が近くになくて、ずっと家の下駄箱に眠ってたんだ」とおっしゃって、すごくたくさん持ち込んで下さる方がいました。営業再開した当初は、天龍屋というこの店をもともとご存じだったお客様にご来店いただくことが多かったです。今は、HPとSNSを使って、この店でどういう修理ができるのかを発信していくことに注力しておりますが、実際、HPやインスタグラムをみて、初めてご来店いただくという方が、徐々に増え始めています。

                     父の代から使っているミシン

靴修理サービスを通じて、心も豊かに

靴修理サービスを通じて、心も豊かに

 地域の人の声に後押しされて店を再出発させ、実際にやってみると喜びの声もたくさんいただき、やり始めて本当によかったと思います。靴修理を提供することで、地域の方に喜んでもらいたいという想いがあったので、そういった気持ちに応えることが出来ているんだという実感もわいています。
 お客様が物を大切にしたいという気持ちを、決して無駄にしたくないという思いがあり、靴修理のサービスを通じて、この地域の方々のより豊かな生活を実現する存在となることが今後の夢です。お客さまに、心もからだも健康的で豊かな生活が送れている、そう実感していただくための一役を担っていきたいです。

店舗名 天龍屋 町田商店
所在地 〒383-0022 長野県中野市中央3丁目3-30
HP https://www.tenryuya.com/
事業内容 靴の修理・販売業
店舗外観 外観写真
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